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ローコード開発における要件定義

要件定義がなぜ重要なのか

システム開発において「要件定義」という言葉を聞くと、「手間がかかりそう」と敬遠されがちですが、実際にはこれを省略すると、後で手間が何倍にも膨らむ結果になりがちです。

「作りながら考える」という手法は一見フレキシブルに見えますが、結果として修正の連鎖が起こり、時間もリソースも浪費する可能性が高くなります。

これはローコードにも言えます。

ローコードでは、簡単にアプリケーションが作れてしまため、作りながら考えるというやり方もありますが、あちらを立てればこちらが立たず、といった問題が連鎖し、最悪の場合、プロジェクトが頓挫することさえあります。

要件定義は「システムの全体像」を描くための工程です。この全体像があれば、細かな部分の修正が発生しても、軸がブレません。

また、明確な要件があることで「誰が作るか」に左右されなくなるのも大きな利点です。

もし要件定義書がなけば、ローコードツールを触れる人と、業務を理解している人が一緒に作業する必要があり、スケジュール調整など考えると逆に進行が遅くなることも考えられます。

完成形が明確であれば、それを形にするための技術的なプロセスはプロフェッショナルにアウトソースすることもできます。

これが要件定義をしっかり行うことの「効率化」効果です。


要件定義の難しさと「右脳×左脳」の課題

では、なぜこれほど重要な要件定義がうまく行われないのでしょうか。

その答えは、人間の思考における「右脳」と「左脳」のバランスの難しさにあります。

要件定義には、まだ存在しない未来のシステムを思い描く「右脳的発想」と、それを実現するためのロジックやプロセスを構築する「左脳的思考」が求められます。

しかし、両者をバランス良く使いこなせる人材は少ないのが現実です。

例えば、右脳に偏りすぎた場合、アイデアが大きく膨らみ、「ドラ〇もん」でもそれできないよ?みたいな壮大なビジョンに至ります。

しかし、それを実現するための現実的なプロセスや技術的要件が置き去りになりがちです。

一方で、左脳に偏りすぎると、「技術的に無理です」「具体的に何をしたいのか教えてください」といった現実的な制約ばかりが強調され、革新的なアイデアが生まれにくくなります。

この両極端が要件定義の難しさを象徴しています。


要件定義がプロジェクト成功の鍵

さらに、業務知識とシステム知識のギャップが要件定義を難しくしているのも見逃せません。

社内にシステムの基礎知識がある人がいない場合、専門家に依頼することになりますが、その専門家はクライアントの業務を深く理解しているわけではありません。

この状態でプロジェクトを進めると、双方が疲弊し、結果として満足度の低いシステムが完成することになります。

また仮に社内に、システムの基礎知識を持ち合わせている人がいたとして、その方がマネジメント経験がないとすると、どのような数字が必要なのかの想像が出来ず、要件をつめるのに、かなりの時間を必要とします。

この課題を解決するには、マネジメント層が、システムの基礎知識を付けて、要件定義する。

もしくは、システムの基礎知識がある人に、マネジメント経験を積ませて要件定義する。

経営の知識、システムの知識、コミュニケーション能力、理論的に考える能力を持ち合わせてるレア人材の発掘もしくは、アウトソースして要件定義する。

この辺りが解決策になると思いますが、どれをとってもそれなりに費用がかかりそうですね。


最後に

長期的に見れば、要件定義を出来る情報システム部を自社において、事業の成長と一緒に社内システムも成長させることをお勧めします。

そういう人材は中々育ちませんので、ベースとなるシステムは専門の会社と提携して構築し、そのシステムをベースに人材教育していくといいかもしれませんね。


 

システム・ローコードツール開発の要件定義でお悩みでしたら、お気軽にルイーダ商会までお問い合わせください。

kintoneに関する要件定義についてはこちらで書きましたので是非。

kintoneの要件定義って必要なの?

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